プラスチック成形品が使われている事例のうち、家電製品での活用事例を紹介しています。
ビルトインタイプ・据え置きタイプともに耐久性や機能性が求められる食洗器。内部のトレイやフィルター、洗浄ノズルなど、様々な箇所にプラスチック成形品が使われています。
また、機械全面のカバーもプラスチックで覆われています。
食材の保存には欠かせない家電である冷蔵庫。プラスチックが無ければ、冷蔵庫が作れないのでは、と感じられるほど、プラスチック成形品が使われています。
ドア枠やパッキン、冷蔵庫内の棚に内壁、ドアポケットもプラスチックです。さらに野菜室のケースや製氷機、給水タンクなど、様々な部品にプラスチックが使われているのです。
いまや日本人の生活に欠かせない存在となってしまったエアコン。エアコンのどの部分にプラスチックが使われているのでしょうか。
エアコンの様々な部分にプラスチック成形品が使われています。例えば室内機のボディやルーバー、内部のファン、フィルターなど多岐に渡ります。
室外機も同様に、ボディやファンなどにプラスチック成形品が使われています。
家電製品に欠かせないプラスチック部品は、軽量性や加工のしやすさ、耐久性から広く使用されています。しかし、使用環境や経年による影響でプラスチックは徐々に劣化し、その結果、製品性能の低下や安全性への影響が生じる可能性があります。
プラスチックの劣化は、物理的、化学的、環境的要因が複雑に絡み合った結果として発生します。まず、熱劣化は家電製品において一般的な現象です。冷蔵庫や電子レンジなどの家電では、高温にさらされるプラスチック部品が熱の影響で柔軟性を失い、脆化することがあります。特に、繰り返しの温度変化が加わることで、分子構造が変化し強度が低下します。
次に、光劣化は紫外線が主な原因となります。エアコンの室外機や洗濯機の外装パネルなど、屋外や直射日光の影響を受けやすい部品では、プラスチックが黄変し、表面が脆弱になります。これに加えて、酸素との反応による酸化劣化も進行し、化学構造の変化を引き起こします。これらの要因が複合的に作用することで、プラスチックの寿命が短くなるのです。
また、機械的劣化も重要です。掃除機や炊飯器などでは、使用中の摩擦や負荷の繰り返しによって微細な亀裂が生じ、やがて破損につながることがあります。さらに、化学的劣化も見逃せません。洗濯機内のプラスチック部品は洗剤や柔軟剤との接触で化学変化を起こし、劣化が進む場合があります。
冷蔵庫ではドアポケットや棚、野菜室のケースといった部品が長期間の使用で黄変したり、割れたりすることがよく見られます。これにより、製品の美観が損なわれるだけでなく、実用性も低下します。
洗濯機では水槽や外装に使用されるプラスチック部品が、水分や洗剤の影響を受け、表面にひび割れが発生することがあります。特に、強い洗剤や硬水の影響でプラスチックが徐々に分解されると、部品交換が必要になる場合があります。
エアコンの室内機や室外機では、フィルターやルーバーの部分が紫外線や温度差の影響で脆くなり、劣化が進行することがあります。
電子レンジも高温にさらされる環境のため、内部のターンテーブルや外装パネルに使用されるプラスチックが劣化しやすいです。これにより、ターンテーブルが回らなくなるなど、使用上の問題が発生します。
掃除機ではハンドル部分が摩擦や衝撃による劣化にさらされるため、頻繁に使用される家庭では特に注意が必要です。
プラスチック部品の劣化は、家電製品の性能低下に直結します。冷蔵庫では、劣化したドアパッキンが密閉性を失い、冷却効率が低下することで電気代が増加する可能性があります。洗濯機や掃除機の破損した部品は、作業効率を大幅に下げるだけでなく、製品の寿命を短くします。
さらに、劣化は安全性にも影響を及ぼします。エアコンの室内機でフィルターが脆くなると、正しい空気の循環が妨げられる可能性があり、火災リスクも懸念されます。また、劣化したプラスチック部品が壊れることで、感電や怪我の危険性が増す場合もあります。これらのリスクを考慮すると、プラスチック劣化を軽視することはできません。
プラスチック製品は、現代の生活において欠かせない素材ですが、その耐久性や環境への影響が大きな課題となっています。制作側として、製品の寿命を延ばし、使用環境に適した性能を保つために、劣化の原因を正確に理解し、適切な対策を講じることが重要です。
適切な材料選定は、劣化防止における第一歩です。使用環境に応じて、耐熱性や耐候性、耐薬品性の高い材料を選択することが重要です。例えば、紫外線の影響が大きい環境では、ポリカーボネート(PC)やアクリル樹脂(PMMA)を選択することで耐久性を向上させることが可能です。また、化学薬品に触れる可能性がある場合には、フッ素樹脂やポリプロピレン(PP)が適しています。これらの選択により、使用環境での劣化を抑制できます。
さらに、材料そのものに添加剤を加えることで、劣化を遅らせることが可能です。紫外線吸収剤(UVA)は、紫外線を熱エネルギーに変換することで光劣化を防ぎます。光安定剤(HALS)は、生成されたラジカルを捕捉して分解を防ぐ役割を果たします。また、酸化防止剤としてはフェノール系やリン系の化合物が用いられ、熱酸化劣化を抑制する効果があります。
製品表面にコーティングを施すことで、外部環境からの影響を遮断することができます。UVカットコーティングは紫外線を遮断し、耐薬品性コーティングは化学薬品との接触による劣化を防ぎます。これにより、製品の耐用年数を飛躍的に向上させることが可能です。
設計段階では、応力集中を避けるための形状設計が重要です。角を丸める、厚みを均一にするなどの工夫を行うことで、機械的な強度を向上させ、劣化を防止します。また、適切なリブ設計により、強度を向上させることが可能です。
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