インモールド成形とは、射出成形の金型内にあらかじめデザインフィルムを挟み込み、成形と同時に絵柄や機能を転写・一体化させる技術です。本記事ではその方法やメリットについて解説します。
ここでは、インモールド成形の流れについてご紹介します。製品を成形すると同時に「加飾」も行える技術であり、以下の1〜4の工程を連続的に繰り返すことで、効率的な生産とコスト削減が期待できます。
インモールド成形は、自動車部品をはじめ、家電、アミューズメント機器など多岐にわたる分野で採用されています。
具体的には、自動車の内装パネルやカーステレオ部品、デジタルカメラの筐体、パチンコ台の装飾パーツなどが挙げられます。また、外食産業においては、回転寿司店で使用される柄付きの皿などにも、耐久性の高いこの技術が活用されています。
成形後に別途塗装や印刷を行う従来の方法に比べ、インモールド成形には以下のようなメリットがあります。
多くのメリットを持つインモールド成形ですが、採用する際にはいくつかのデメリットも考慮する必要があります。
インモールド成形とインサート成形は「金型内で何かを一体化させる」点は同じですが、目的が異なります。
インモールド成形は、主に「加飾や機能性付与」を目的としています。金型内に加飾フィルムを配置し、外観品質の向上やハードコート性を持たせるために行われます。
これに対し、インサート成形は、主に「構造強化や複合化」を目的としています。金属部品(ナットや端子など)や異素材を金型内に配置し、樹脂で包み込むことで製品としての強度や機能を成立させます。
つまり、インモールド成形は「見た目や表面機能を高める加飾型」、インサート成形は「構造的強度や通電性を付与する補強・機能型」という違いがあります。
インモールド成形と比較されやすい加工が、フィルムインサート成形です。工程のイメージは似ていますが、フィルムの扱い方や加飾範囲に明確な違いがあります。
平面や緩やかな曲面はインモールド成形が得意とする領域です。深い凹凸や絞り形状はフィルムインサート成形が優位となります。ただし後述のFSR工法の登場により、インモールド側も深絞り領域への対応範囲が広がっています。
メリットの大きい工法ですが、量産現場では形状・材料選定の制約に配慮が必要です。採用前に以下のポイントを確認してください。
インモールド成形は発展系工法が登場しており、採用可能な製品範囲が広がっています。IMR(In Mold Release:インモールド転写)は、射出成形と同時にフィルム基材から意匠のみを樹脂表面へ転写する3次元加飾技術です。Wet工法からDry工法への転換を支える中核技術として位置づけられています。
FSR工法は、従来不可能とされた深絞り形状や難易度の高い加飾に対応する手法です。高精度な位置合わせが可能で、3D形状の製品にも多彩な加飾表現を実現できます。
IMRの強みは、新規ラインを構築せずに既存の射出成形機へ箔送り装置を後付けする形で導入できる点にあります。少ない設備投資で加飾工程を内製化できるため、検討段階の設計・調達担当者にとって導入ハードルは低くなります。
インモールド成形は、多くの熱可塑性樹脂で使用可能です。
例えば、透明度が高く耐熱性のあるPC(ポリカーボネート)や、光沢があり加工性の高いABS樹脂などは、美しいデザインを実現しやすく適しています。
ただし、重要なのは「使用するフィルムと成形樹脂の相性」です。樹脂の融点や接着性を考慮して、最適なフィルム素材を選定する必要があります。
インモールド成形の技術は日々進化しており、製品の裏と表を同時に印刷する「ダブルインモールド」や、ガラスなどの異素材と樹脂を一体化させたボディに印刷を施す「ガラスインサートインモールド」など、様々な手法が開発されています。


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