家庭用医療機器のOEM・ODMでは、操作性や安全面に加えて、樹脂部品の寸法精度や組立品質も重要です。製品の種類によって必要な設計や製造工程が異なるため、依頼先を選ぶ際は、検討している製品に近い開発・量産実績や対応できる工程を確認する必要があります。
このページでは、家庭用医療機器の開発や製造委託を検討している企業向けに、依頼できる製品例と、OEM・ODMメーカーを選ぶ際のポイントを紹介します。
家庭用医療機器は、家庭などで一般の方が使用する医療機器です。電子体温計、電子血圧計、自己検査用の血糖測定器、家庭用電気マッサージ器などが例として挙げられます。
一般的な健康家電や雑貨とは異なり、医療機器に該当する製品には、医薬品医療機器等法に基づく規制が適用されます。医療機器に該当するかどうかは、製品の使用目的や機能などを踏まえて判断されるため、開発の初期段階で対象製品の区分を確認することが重要です。
家庭用医療機器には、測定に使う機器や吸引機器、身体のケアに使う機器などがあります。製品によって必要な樹脂部品や製造工程が異なるため、開発・製造を依頼する際は、製品の構造や機能に合った技術を持つメーカーを選ぶことが重要です。
電動鼻吸い器などの吸引機器では、ポンプで必要な吸引力を確保しながら、動作音や振動を抑える設計が求められます。ポンプを収める筐体や吸引経路となる樹脂部品、接続部分の構造にも配慮が必要です。製品によっては、単なるポンプの選定にとどまらず、要求性能に合わせた開発が求められるケースもあります。
血糖測定器や電子体温計、電子血圧計などでは、筐体や操作ボタン、表示部、内部ユニットを収める構造などが樹脂成形と深く関わります。センサーや測定部を所定の位置に保持する構造をはじめ、部品同士の嵌合や組立精度なども設計における重要なポイントです。
複数の樹脂を一体化する二色成形も、部品構造を検討する際の有効な手法の一つです。採用の可否は、必要な機能や形状、使用する材料などを踏まえて総合的に判断します。
家庭用電気マッサージ器をはじめとする身体のケア用機器では、外装や操作部品だけでなく、内部機構に合わせた筐体設計も欠かせません。マッサージチェアに組み込まれるエアーユニットでは、ポンプから複数の配管へ空気を送り、制御機構と組み合わせて動作させます。ユニットの構造や配管レイアウトに合わせて、樹脂部品の形状や適切な組立方法を検討することが大切です。
なお、吸引機器やマッサージ機器などのすべてが医療機器に該当するわけではありません。対象製品の使用目的や機能に応じて、医療機器としての区分をあらかじめ確認しておく必要があります。
OEMは、一般に委託元が用意した仕様や設計をもとに、受託側が製造を担当する形態です。一方、ODMは、受託側が企画や設計の段階から関わり、製品の開発から製造までを担当する形態を指します。
どちらの場合も、完成品、内部ユニット、樹脂部品のどこまでを任せるかによって、確認すべき内容が変わります。仕様が固まっていない段階では、設計から相談できるODMが選択肢となります。設計が済んでいる場合は、金型製作や成形から依頼できるメーカーもあります。
家庭用医療機器のOEM・ODMメーカーを選ぶ際は、次の4点を確認しましょう。
医療機器の製造管理・品質管理の基準を定めたQMS省令は、医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格ISO 13485:2016との整合を図る目的で、2021年に一部改正されました。
ISO 13485の認証取得の有無は、委託先の品質管理体制を確認する際の判断材料になります。ただし、認証取得の有無だけで判断するのではなく、医療機器に関する許可・登録の保有状況や対象業務、製造拠点なども確認しましょう。必要な許可・登録や確認事項は、委託先が担当する業務や製品区分によって異なります。
同じ家庭用医療機器でも、吸引機器と測定機器では必要な技術が異なります。分野名だけで判断せず、構造や機能が近い機器の開発・量産に対応した経験があるかを見極めることが大切です。
また、実績のある製品について、完成品の設計・組立まで担当したのか、内部ユニットや樹脂部品の製造を担当したのかも重要です。検討中の製品に必要な工程を任せられるか、具体的な対応範囲を確認しましょう。
製品によっては、成形や組立の過程で粉じんや異物が混入しないよう、生産環境への配慮が求められます。クリーンルームの有無だけでなく、製品に適した環境管理が行われているかを確認することが大切です。
寸法や外観、動作などの検査についても、製品仕様に応じた方法が定められているかをあらかじめ把握しておきましょう。検査項目や判定基準、検査記録の管理方法まで把握しておくと、品質管理体制を比較しやすくなります。
試作と量産で委託先が分かれると、量産へ移る際に仕様の再確認や金型の調整が必要になることがあります。試作段階で見つかった課題を、量産用の金型や組立工程へ反映できる体制があるかを確認しましょう。
金型製作、射出成形、塗装・印刷、組立、検査まで継続して依頼できれば、工程間の調整を進めやすくなります。必要な工程をまとめて相談できるかどうかも、メーカーを比較する際のポイントです。
家庭用医療機器のOEM・ODMでは、対象製品の区分を把握したうえで、品質管理体制、類似機器の開発・量産実績、生産環境と検査体制、試作から量産までの対応範囲を確認することが重要です。
樹脂部品の品質や組立精度は、製品の構造や使いやすさにも関わります。金型製作から成形、組立まで一貫して相談できるかも含め、製品に必要な工程に対応できるメーカーを選びましょう。
本メディアでは、製品設計から金型製作、射出成形や塗装・印刷、基板実装、組立まで一貫して相談できる会社や、医療・ヘルスケア、家電・日用品、食品容器や化粧品用など、業界別のおすすめプラスチック金型メーカーを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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